消費者に真っ先に
連想してもらえる商品に育てたい


 消費者行動図鑑のコンテクストプランニングレポートでは、消費者があるキーワードに関連す生活文脈から、具体的な商品を連想し購入するまでの過程を可視化します。また、実際に商品が選ばれるまでに効果を発揮していたコンタクトポイントも明らかになるため、自社商品がキーワードから連想して選ばれるためのコミュニケーション施策まで導き出します。

「自社のビタミン系機能性飲料が消費者にあまり選ばれていない。"ビタミンC"といったらうちの商品!となるようにブランドを育てていきたいのだが、どうすればよいでしょうか?」

「商品が消費者の生活文脈から連想され、購入されるまでのプロセスを、消費者コンテクストと合わせて可視化し、商品がより連想されるためのコミュニケーションプランを検討しましょう。」


【分析の背景と概要】

 高い純粋想起率やTOP OF MINDとなる、消費者に強く記憶されるブランドは選ばれやすく、対競合の視点で考えても、非常に強力なポジショニングを築けているといえます。特に一般消費財は、製品の内容よりもブランド名で選ばれる傾向が強くなるため、消費者に強く記憶されることが、長く選ばれるブランドに必要不可欠な条件と言えます。

 では、消費者に記憶されるブランドとなるためには、どのようにアプローチするべきでしょうか。商品名を繰り返し消費者に接触させるだけでは、逆に露出過多で嫌われるリスクも考えられますし、広告出稿量に対しての獲得認知率の面でも、決して費用対効果が高いとは言えません。そのため、コミュニケーションの質によって消費者の生活と強く紐づけることが、"記憶され、連想される"為に重要と考えられます。このように、消費者のコンテクストに寄り添うブランドとして育てることが、消費者の生活の中で自然と連想される、強いブランドを実現できると考えられます。

 コンテクストプランニングレポートでは、消費者の生活文脈からある商品を連想するまでの過程を可視化し、連想に効果を及ぼしている具体的なコンタクトポイントを合わせてまとめています。このレポートにより、重視すべき消費者コンテクストとコンタクトポイントから、コミュニケーションプランの仮説を立てることを支援します。

アウトプットの読み方



 本レポートでは、ターゲットの「ごくたまにビタミンC系飲料を飲む人」が「ビタミンC」というキーワードから、特定の商品を連想するまでのプロセスを例としています。そのため、図の左には月1回程度ビタミン系の機能性飲料を購入する人(ごくたまに飲む人の定義とする)が、「ビタミンC」で連想する消費者コンテクスト項目をレポート左側に挙げています。

 次に、レポート中央には、ビタミンCから連想して、消費者が実際に商品を選択するプロセスを掲載しています。それぞれの段階における消費者の行動の特長を消費者行動類型により判別しており、各段階に影響しているコンタクトポイントを中央下に掲載しています。このプロセスより、商品選択に至るまでに「お茶やコーヒーと違うポジションであること」「カラダに栄養を与えるものであること」が、「商品○○」を連想し選択することに影響していることが読み取れます。

 そして、商品決定時には図の右にあるように、「便宜性決め手型」であることから、普段の購入チャネルで常に売り場にあり、手に取りやすいことが、商品選択の決め手になっていることが読み取れます。

 これらの結果より、「ビタミンC」から「商品○○」を連想し購入してもらうためには、まずは消費者の「普通の炭酸飲料より体に良さそう」などの文脈を起点とし、TVCMで「お茶やコーヒーとの差別化」を図りかつ、「体に良い」ことを軸にコミュニケーションし、店頭では少量でも常に配架されることで選ばれ定番化していくようにすることが、「ビタミンCといえば商品○○」とポジショニングすることに効果があると考えられます。

 以上のように、コンテクストプランニングレポートでは消費者の文脈に寄り添い、商品が連想されるようにコミュニケーションを検討する際に役立てられます。