不協和低減型

知覚類 - 商品選択時の比較検討をあまり行わず、購入後に評価するタイプ

「あまり調べずに買ったけど、この商品で良かった。うん、この機能は使わないかもしれないけど、まぁ、良かった。いい買い物だった。」


 「不協和低減型」は消費者にとってブランド間の知覚差異が小さく、かつ関与が高い商品カテゴリに対する、消費者の知覚類型です。消費者行動図鑑ではアサエルの購買行動類型(※)に基づき、商品カテゴリの「知覚差異」が低く「関与」が高い(右図)場合に不協和低減型に判別します。

 不協和低減型で選択される商品は、例えば冷蔵庫や洗濯機などの、高額であることから関与は高いが、商品間に大きな差が無いように見える、白物家電等が該当します。該当した商品は高額であったり、維持コストがかかるなどリスクを孕んではいますが、この類型は購入までにあまり他商品との比較・評価が行われない傾向があると言えます。このタイプが「不協和低減型」と呼ばれるのは、購入時に吟味しなかったために発生する、購買後のイメージギャップ(不協和)を、消費者が自身を納得させる(低減させる)行動が見られることに由来しています。不協和低減型に該当する商品は、足切条件をクリアした商品であれば何れも選ばれる可能性があります。また、購買後に不安やギャップが起こることが予想される為、予想される不安を打ち消すコミュニケーションを行う事や、ブランド自体への信頼感やロイヤルティを高く維持し、商品自体に抱く不協和を紛らわす等の対策が考えられます。

※「アサエルの購買行動類型」は、こちら(坪井(2002) 『商品分類とマーケティング戦略』 pp.12 :外部リンク・PDF )を参照下さい。
※「知覚」についての詳細は、守口剛・竹村和久(2012)『消費者行動論 購買心理からニューロマーケティングまで』八千代出版 第3章を参照下さい。

動機類 - 何が消費者の行動を駆り立て、方向づけるか?

関与類 - 消費者にとってこの商品は、どのように重要なのか?

自己関与: 永続的趣味型 / 永続的仕事型 / 状況的趣味型 / 状況的仕事型
製品関与: ブランド指名型 / カテゴリ関与型 / ブランド・カテゴリ関与型 / 低関与型 /
情報関与: 広告接触・報道量依存型 / 話題性・盛り上がり依存型 / 売り場陳列依存型 /
      広告・報道レレバンス依存型 / ウワサ・評判内容依存型 / 売場コミュニケーション依存型

態度類 - 消費者は商品をどう好んで/嫌っているか?

周辺的態度: 周辺的接触型 / 周辺的好意型 / 周辺的非好意型
中心的態度: 中心的好意拡散型 / 中心的好意型 / 中心的非好意型 / 中心的非好意拡散型

選択・意思決定類 ‐ 消費者は商品をどう選択するか?

選択方略: 属性型 / 選択肢型 / 感情依拠型 / ナビゲート型
意思決定: 低コスト決め手型 / 高パフォーマンス決め手型 / 適合性決め手型 / 便宜性決め手型
     / 高コスト足切型 / 低パフォーマンス足切型 / 不適合足切型 / 不便足切型

選択後類 ‐ 買った後、選んだ後はどうするか?

選択後: 伝道師型 / ロイヤルティ型 / 中立評価型 / 自己フィードバック型 / 批判者型