成功パターンを知り、強みにする
「ドライバーレポート」

「ドライバーレポート」は、特定の商品が消費者に選ばれた理由、選ばれた決め手となった要因を定量的に特定し、成功パターンの発見します。また、さらに評価向上の余地がある要因を特定し、更なる成功を導く為の打ち手を示します。

商品が選ばれた成功パターンを明らかにする。

 「ドライバーレポート」は、特定の商品が選ばれた決め手を解明するレポートです。実施の際には、ボトルネックレポートは診断レポートと同様の調査データを用いて作成することができますが、あらかじめ調査開始時に設定した調査項目の範囲内で実施します。



【成功のプロセスを明らかにする】

 レポートでは、消費者が当該商品を購入した決め手となった要因についてコメントし、次にレポート中段にて、設定したKGI(例では「購買」)に至った"成功のゴールデンパス"を、あらかじめ設定した説明変数(「好き」などの態度、「価格が安い」などの評価軸、「店頭プロモーション」などの打ち手)によって分析し、インフォグラフィクスで表記しています。上図の例を解釈すると、「化粧水が購買されたのは、店頭プロモーションで価格が安いと感じられたことが、ブランドへの好意となり、その結果購買された」と読むことができます。以上のように、当該商品が「買われた」理由の、最も影響が強かった一連の要因をストーリーとして読み取ることができます。


【改善余地のある評価軸を見つける】

 では、成功要因を明らかにした上で、何をすればよいでしょうか。まず一つは、更なる評価向上の為に打てる打ち手を明らかにすることが出来ます。



 上図左の二元表は、今回調査した調査項目に「まだ評価向上できる伸びしろはあるか」を分析しています。横軸に現在の評価、縦軸に伸長期待度(現在以上に良くしてほしいと思うか)を設定しており、右上に該当する項目が「現在の評価が高いが、まださらに評価が高まることを期待している」象限と読むことができます。もちろん、左上の象限の様に「評価は低く、さらに評価が高まることを期待している」項目の方が対応優先度は高いと言えます。ですが、すでに評価が高くても更に評価を伸ばす余地がある項目を伸ばすことで、自社商品の強みをさらに強化し、より深くポジショニングできる可能性も同時に見定めることができます。

 また、右の二元表は、縦軸に伸長期待度を設定していることは変わりませんが、横軸に伸長期待度の標準偏差を設定しています。標準偏差は評価の「ばらつき」を示します。ドライバーレポートでは金融・経済における標準偏差の解釈と同様、ばらつく「リスク」として解釈します。そのため、左上に該当する項目は伸長期待度が高く標準偏差が低いので、「伸長が期待されている上、リスクが低い(=ばらつきが小さい=みんな伸長を期待している)」と解釈できます。この二元表Bを二元表Aを組み合わせることで、伸びしろがあり、リスクの小さい要因を特定し、更なる評価向上の打ち手を明確に示します。


【評価向上の次の打ち手を明らかにする】

 二元表を用いた分析により、更に評価を向上させるためのカギとなる変数が見つかりました。その結果を踏まえ、成功要因をさらに向上させるための「その他のドライバー要因」を見てみましょう。



 上の図では、「WEBサイト」で「利用の手間がかからない」ことがブランドに好意を抱くドライバーとなっていることがわかります。この「利用の手間がかからない」は先の二元表分析により、評価改善の余地があり、リスクも小さいことがわかっていますので、この方針でさらなる評価向上を狙うことは有効と考えられます。


【成功パターンを見つけて、さらなる応用へ】

 成功パターンを理解し応用する方向性として、他の製品ブランドのマーケティングに応用することも考えられます。成功パターンを応用するにあたっては、今回の成功例を消費者コンテクストにまで立ち返って詳細に成功要因を分析する必要があります。消費者行動図鑑の「カスタマージャーニーレポート」では、ドライバーレポートで定量的に得られた成功パターンを、消費者の文脈で読み解く視点を提供します。具体的には、ドライバーレポートで成功パターンをたどった回答者についてのカスタマージャーニーレポートを作成し、消費者の環境・コンタクトポイント・商品カテゴリに対する価値観など、背景や文脈をより豊かに理解し、成功パターンを消費者の文脈で理解することが肝要です。


 以上のように、ドライバーレポートでは当該商品のターゲット消費者がKGIに至った決め手を定量的に分析し、成功パターンの把握と、更なる改善に有効な施策を導き出せます。また、ドライバーレポートに設定するKGIや打ち手の変数は、調査実施前に差し換えて変更することが可能です。商材に合わせてより詳細な調査項目を設定することや、例えば購買以外のKGI(ファンになった など)を目的変数とすることも可能です。詳細は別途ご相談ください。